はじめに

小児科専門医は小児科学会が認定する専門医でしたが、2018年度からは19基本領域全てが日本専門医機構の認定する新・専門医制度に移行しました。前橋赤十字病院は2003年度から小児科専門医研修を行ってきていて、2018年度からは日本専門医機構に認められた小児科専門医研修基幹施設になりました。当院の小児科研修でこれまでに10人の小児科専門医が誕生しています。

プログラム制、カリキュラム制

お問合せ

①教育研修推進室

E-mail: mrc-rinken■maebashi.jrc.or.jp
メールアドレスは■を@に変えて使用してください

②プログラム責任者 松井敦小児科部長

E-mail: a-matsui■maebashi.jrc.or.jp
メールアドレスは■を@に変えて使用してください
Web会議システム(zoom、Webexなど)での
面談・説明も適宜行っています。

「小児科医は子どもの総合医です」とは?


 日本小児科学会では小児科専門医は「子どもの総合医」であり、子どもたちの生活の質と安全・安心のために活動している医師であるとしています。成育医療とは、胎児期から小児、思春期を経て次世代を育成する成人期までの過程で生じるさまざまな健康問題を包括的に捉え、それに適切に対応する医療を指します。

 高度に医療が発達した現在では、それぞれの病気をそれぞれの専門家が診療する体制があります。成人科ではそれが顕著ですが、小児では、まず全身を診て必要がある場合には専門領域の医師が診療します。そのため子どもの病気の全てが私たちの診療対象です。手術が必要な外科系疾患だとしても、小児科医が協力して診療にあたります。院内他科との連携は、垣根の低い私たちのような一般病院の得意とするところです。内科系疾患、外科系疾患という病気の診療以外にも、子どもの総合医としての大事な役割があります。それは子どもが健全に育ってゆく環境を整えることです。貧困や親の精神疾患や発達障害など、その家庭の養育の問題を把握し、ソーシャルワーカー、市町村の保健センター、教育機関、児童相談所などと協力しながら解決策を探っていきます。児童虐待もその対応の一つですが、家庭支援チームを編成し加害者を糾弾することを目的とせず、養育困難家庭、要支援児童が少しでも良い方向へ向くように子どもを中心に据えた話し合いを行います。児童虐待の世代間連鎖は断ち切らなければなりません。私たちは「総合小児科」を専門として掲げ、子どもたちが生まれてから大人になるまでの過程で支障となることは病気のことだけでなく、養育環境を含めた全てを対象に解決策を考えています。  当院での小児科専門医研修プログラムは総合小児科医としての入門コースであり、そのためにすべきこと、心構えを身につけていただきます。