虚血性心疾患や弁膜症等の心臓疾患および大動脈解離や大動脈瘤等の大動脈疾患においても当院の特徴である救急医療および急性期医療を担い、高度急性期医療さらに、多様化する医療ニーズに対応すべく、総合病院であることのメリットである、31診療科間のつながりを最大限に活かし、患者さん一人一人にとって最適な治療法を総合的に判断し治療にあたれるよう心臓・大動脈外科センターを開設させて頂きました。
患者さんの中には、心臓・大動脈疾患以外に、人工透析や糖尿病、脳神経疾患等の複数の病気をお持ちの方がおり、治療にあたってはそれらの病気にも注意を要する必要があり、特定の専門病院の場合は術後、別の病院に移り他の治療を受けに行かねばならず、患者さんに負担がかかる恐れがあります。当院は、31の診療科それぞれに専門スタッフがおりますので、院内で連携を取りながら病気を総合的に治療することができ、専門病院にはできない総合病院ならではのトータルマネージメントを行っております。 さらに、当院にては十分にリハビリ実施を計画し、患者さんがご自宅に帰られて日常生活にスムーズに戻ることができるように支援し、退院、転院して頂くようにしています。
狭心症や心筋梗塞等の虚血性心臓病・大動脈弁狭窄症や僧帽弁不全症等の心臓弁膜症・心不全・大動脈瘤や大動脈解離等の大動脈疾患などの循環器疾患に対して最新の高度医療を提供します。高齢化に伴い、慢性腎臓病(人工透析等)や末梢動脈病変等を合併した心臓・大動脈疾患の患者さんが増加してきており、より高度な集学的加療を必要となっています。総合病院である強みを活かし、合併症を伴った患者さんの治療も積極的に受け入れ、できる限り当院にて治療を完結してゆくことを目指しております。これまで以上に地元に密着、貢献し、前橋市を中心に、群馬県での心臓・大動脈疾患治療の主要拠点を目指しています。
低侵襲心臓手術(MICS)では胸の横を小さく切って、そこから心臓の手術を行います。従来は胸の真ん中を切って、胸骨を縦にすべて切っていました。基本的に現在もその方法は行っていますが、胸骨をすべて切ることで、痛みや体への負担が増強します。そのため、手術後は車の運転が2~3カ月間できませんし、力仕事などは控えていただかなくてはなりませんでした。しかし、MICSでは胸骨をまったく切らないため、痛みも少なく、術後早期から重いものを持つことができます。仕事にも早期に復帰できるなど社会復帰が早いことが特徴です。車の運転も退院後2週間から大丈夫です。手術の質(クオリティ)は同じで、傷が小さく痛みが少ない、社会復帰が早い手術方法のMICSを適応症例に対して提供しています。
大動脈疾患に対しては今まで行われてきた従来の手術はもちろんのこと、手術の負担が耐えられない患者さんには血管内治療の胸部・腹部大動脈瘤ステント治療(TEVAR・EVAR)も積極的に取り入れ、場合によっては従来の手術を組み合わせたハイブリッド治療も行っております。
今後は、できるだけ早期にHybrid Operation Room (HOR)を開設し、TAVIおよびMitraClip等のStructural Heart Disease (SHD)インターベンションを取り入れていきたいと考えております。
2018年4月の新体制発足および6月の新病院移転に伴い、手術センターが整備され、15室と増床となり、これまで以上に多くの手術に対応可能となっております。また、集中治療センターも24床に増床され、あらゆる病状にも対応できるように集中治療専属の医師・看護師が24時間体制で配備され、心臓・大動脈疾患に対しても対応しております。
当院のリハビリテーション科は、理学療法、作業療法および言語療法等を提供しており、あらゆる急性期疾患に対応するリハビリテーション医療を行っています。また、回復期リハビリ病棟、また在宅部門とも密接な連携を取り、急性期から維持期まで連続したリハビリテーション医療を提供しています。積極的にその機能を利用し、患者さんに入院時からリハビリテーションの介入、手術後も集中治療室(ICU)の超急性期から介入し、早期の機能回復、日常生活動作の自立、社会復帰するよう努めています。
虚血性心疾患:狭心症、心筋梗塞、心筋梗塞合併症など | 冠状動脈バイパス手術、心室中隔穿孔閉鎖術、左室形成術など |
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弁膜症:大動脈弁狭窄症/閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症/閉鎖不全症など | 弁形成術、弁置換術など |
大動脈疾患:胸部/腹部大動脈瘤、大動脈解離など | 人工血管置換術・ステントグラフト内挿術など |
月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
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手術 | (桒田) | 桒田 | 手術 | 桒田 |
手術 | 手術 |
原則は水曜日、金曜日の午前中ですが、ご連絡頂ければ、随時調整させて頂きます。また、急患ついてはこの限りではございません。 いつでも御連絡ください。
心雑音や胸部異常陰影等にて心臓・大動脈疾患を疑われるような時、心臓・大動脈疾患であるが高齢や併存疾患のために加療の選択に迷われる時など、気軽に当センターに御紹介して頂ければ幸いです。期待に応えられるセンターとなれるよう、力を尽くす所存でございますので、何卒ご支援賜わりますようお願い申し上げます。