
消化器内科
Gastroenterology and Hepatology
特色
消化器内科は外科とともに消化器病センターを形成し、互いに連動しながらあらゆる消化器系の救急、重症、難治疾患に対し当院で自己完結できる体制を整えています。 日本消化器病学会指導医・専門医8名、日本消化器内視鏡学会指導医・専門医7名、日本肝臓学会指導医・専門医5名(重複あり)を有し、研修医や専攻医の指導を行い若手の育成にも力を入れています。
大腸ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)
厚生労働省が2009年に大腸がんに対する先進医療として承認し、当院は県内2番目の大腸ESD認定施設となりました。大腸の早期がんを内視鏡用の特殊な電気メスを使ってそぎ取る方法であり昨年度は29例に施行し症例数は年々増加中です。大腸の壁は非常に薄く穿孔をきたしやすいため胃や食道のESDに比べはるかに難易度が高いとされていますが、今のところ手術が必要となった症例はありません。
ダブルバルン小腸内視鏡
先端にバルンのついた長い内視鏡をバルン付きのオーバーチューブを通して小腸深部まで観察します。経口と経肛門検査を組み合わせれば全小腸の観察が可能となります。経肛門の場合通常の大腸内視鏡検査プラス小腸検査となるため技術、経験、根気を要する検査であり県内最多の症例数を有します。これまで未知であった小腸腫瘍や憩室、血管異型などの出血源に出くわす機会が増えてきました。また、ERCP施行困難例とされている胃切除後症例に対してもダブルバルン内視鏡下でのERCPで胆道ドレナージを試みています。
EUS-FNA(超音波内視鏡ガイド下穿刺吸引生検法)
内視鏡で見ながら消化管内腔から超音波プローブを病変に当て膵臓や消化管深部にある腫瘍内部を観察し、細い針で組織を採取する方法です。これまで出来なかった粘膜下腫瘍や膵臓の小さい腫瘍などの術前診断が可能となり適格な治療が行えるようになりました。
B-RTO(バルン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術)
ひとたび出血すると致死率の極めて高い胃静脈瘤に対するIVR治療です。バルン付きのカテーテルを用い胃静脈瘤内に硬化剤を逆流させながら注入し治療します。高度の経験と知識が必要となり、大学や他県からの紹介に加え県内の治療困難例はすべて当科に集約されます。
B-TACE(バルン閉塞下経カテーテル的肝動脈塞栓術)
新聞でも報道されましたが、平成25年の肝臓がんに対するTACE症例数は県内最多でした。最近ではバルン付きのカテーテルを用いた方法でさらに治療効果を高める工夫を先駆的に行い、県内一はもちろん全国でも有数の症例数を誇り全国に向け種々の広報活動を展開中です。
C型肝炎治療には近年大きな革命が起こり、インターフェロンを使用せずDAA製剤(Direct acting anti-viral agent:直接作用型抗ウィルス剤)を3ヶ月間内服するだけで9割以上の患者さんが治癒する時代が到来しました(インターフェロンフリー療法)。ただし、薬剤耐性変異出現の問題もあり、また、薬価が非常に高額でもあることからまだまだ肝臓専門医による治療が望ましい状況です。当院には5名の肝臓学会指導医・専門医が在籍しC型肝炎の撲滅を目指しています。
これら急性期重症疾患、腫瘍性疾患に対する特殊検査・治療のみならず、難治性疾患である炎症性腸疾患(IBD)、慢性肝疾患・膵疾患、胆管炎・総胆管結石などに対する診療においても県内の中心的役割を担っているものと自負しています。手術適応のありそうな症例については毎週行われる外科との合同カンファレンスで治療方針を決定します。
過去5年間の検査・治療実績
上部消化管内視鏡
年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|
上部内視鏡・総件数 | 6,955 | 6,924 | 6,711 | 6,299 | 5,714 |
緊急止血術 | 140 | 183 | 147 | 137 | 119 |
胃・食道静脈瘤治療(EIV+EVL) | 68 | 74 | 35 | 38 | 37 |
拡大内視鏡 | 179 | 320 | 230 | 203 | 169 |
ESD(胃・食道) | 54 | 84 | 61 | 66 | 63 |
健診経鼻内視鏡 | 3,569 | 3,769 | 3,912 | 3,800 | 3,414 |
下部消化管内視鏡
年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|
大腸内視鏡・総件数 | 2,511 | 2,241 | 1,886 | 1,746 | 1,608 |
ポリペクトミー(EMR) | 535 | 304 | 266 | 282 | 257 |
止血術(含緊急例) | 584 | 348 | 284 | 324 | 272 |
ESD(大腸) | 17 | 27 | 29 | 22 | 17 |
ダブルバルン小腸内視鏡 | 34 | 19 | 18 | 18 | 12 |
カプセル内視鏡 | 7 | 7 | 24 | 15 | 8 |
膵・胆道系関連
年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|
ERCP・総件数 | 436 | 408 | 373 | 399 | 312 |
ERBD | 189 | 228 | 248 | 245 | 169 |
EPBD | 15 | 11 | 8 | 11 | 18 |
EST | 118 | 144 | 138 | 126 | 98 |
メタリックステント | 27 | 24 | 24 | 16 | 18 |
EUS-FNA | 17 | 24 | 21 | 19 | 18 |
肝臓関連
年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 |
---|---|---|---|---|---|
腹部AG・総件数(含TACE・TAI) | 230 | 208 | 172 | 141 | 135 |
BRTO・TJO・PTO | 8 | 11 | 5 | 4 | 3 |
ラジオ波焼灼術(RFA) | 86 | 82 | 81 | 75 | 88 |
肝生検 | 14 | 12 | 20 | 28 | 28 |
サイバーナイフ用マーカー留置 | ー | ー | ー | 16 | 16 |
2021年6月3日更新
スタッフ紹介
名前 | 卒年 | 職名 | 専門分野 | 資格 |
---|---|---|---|---|
新井 弘隆 |
1992年 | 部長 | 消化器一般・肝臓 |
日本内科学会認定医
日本内科学会指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器病学会指導医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器内視鏡学会指導医
日本肝臓学会専門医
日本肝臓学会指導医
日本門脈圧亢進症学会技術認定医
臨床研修指導医
|
滝澤 大地 |
2000年 | 部長 | 肝疾患・肝癌・消化器疾患 |
日本内科学会認定医
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本肝臓学会専門医・指導医
医学博士
|
関口 雅則 |
2005年 | 副部長 | 消化管 |
日本内科学会認定内科医・指導医
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
|
柴崎 充彦 |
2013年 | 医師 | 消化器一般・肝臓 |
日本内科学会認定医
日本消化器病学会消化器病専門医
日本内視鏡学会消化器内視鏡専門医
日本肝臓学会専門医
|
阿部 貴紘 |
2014年 | 医師 | 胆・膵 |
日本内科学会認定医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
|
館山 夢生 |
2016年 | 医師 |
日本専門医機構認定内科専門医
|
|
井上 真紀子 |
2017年 | 医師 | ||
大島 啓一 |
2019年 | 専攻医 | ||
伊藤 健太 |
2019年 | 専攻医 | ||
冨澤 佳那子 |
2020年 | 専攻医 | ||
丸山 優 |
2020年 | 専攻医 | ||
菊地 優実 |
2022年 | 専攻医 | ||
飯塚 賢一 |
2000年 | 嘱託医師 | 消化管(胃・腸)・内視鏡 |
日本内科学会認定医
日本内科学会総合内科専門医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器内視鏡学会指導医
臨床研修指導医
|
山崎 節生 |
2010年 | 嘱託医師 | 消化器一般・大腸 |
日本内科学会認定医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
|
阿部 毅彦 |
1981年 | 非常勤 | 消化器一般・肝臓 |
日本内科学会認定内科医
日本肝臓学会専門医
日本消化器病学会指導医
日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会指導医
日本消化器内視鏡学会専門医
日本肝臓学会指導医
臨床研修指導医
|
外来スケジュール
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | |
---|---|---|---|---|---|
午前 |
柴崎 充彦 丸山 優 井上 真紀子 |
新井 弘隆 関口 雅則 阿部 毅彦 阿部 貴紘 |
滝澤 大地 館山 夢生 井上 真紀子 |
新井 弘隆 阿部 貴紘 滝澤 大地 大島 啓一 |
飯塚 健一 |