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高度な医療設備・技術を備え、24時間体制で最良の医療が提供出来る体制で臨んでいます。 群馬県内全域を対象として、先進的で高度な救急医療を行いながら、地域医療社会の救急医療の中枢となる医療を提供できるよう積極的に取り組んでいます。 重症患者の診察には、プレホスピタル、救急外来での初療から集中治療管理への医療の連携が不可欠で、またそのマネージメントが重要になります。 当科では救命のための4つの連鎖(Pre-Hospital、ER、ICU、救急病棟)と、これらすべてを動員して活動する災害医療を"5つの柱"として診療に取り組んでいます。 さらに蘇生、外傷、災害医療などの各種教育・研究コースに積極的に参加し、個人のスキルアップと当科のレベルアップを図っています。
Learn More要請件数 | 出動件数 | |
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ドクターヘリ | 807 | 580 |
ドクターカー | 622 | 610 |
ドクターヘリ・カーとは、救急医療に必要な医療器材、あらゆる外傷・疾病の初期対応に精通したドクター・ナースを乗せて速やかに救急現場などへ出動し、到着時より高度な医療を開始する“究極の往診システム”です。 特に重症な病気やけがについては、15分〜20分の治療開始の差が救命率向上と後遺症の軽減にとても大きな意味を持っています。 前橋赤十字病院は群馬県ドクターヘリの基地病院として活動しています。
命のタイムリミットとの戦いでは1分1秒も無駄にはできません。
病院で重症患者の到着を待っているだけではなく、こちらから患者のもとへ駆けつける『攻めの救急医療』が必要な時があります!当院ではドクターヘリ・カーにより、病院前から重症患者への診療を開始し、1人でも多くの救命・社会復帰を目指しています。
当院は全国35箇所ある高度救命救急センターのひとつです。年間約7000台の救急車を受け入れています。 また当院は、生命の危機に瀕する最重症患者の受け入れだけでなく、Walk inで来院する患者の診療にも100%応需する全次型救命救急センターであり、地域における救急診療の中核的存在です。
当院のERにおける診療は、平日昼間は、救急科医師2-3名(指導医、レジデントおよび初期研修医)がすべての患者の初期治療を担当します。夜間や休日は、救急科医師2人(指導医およびレジデント)、内科系医師、外科系医師、小児科医師、産婦人科医師、および初期臨床研修医2人の診療チームで担当します。心臓血管内科医は24時間体制で担当しており、休日日勤には必ず整形外科医がER担当として勤務しています.そのため、救急科レジデントは、内科診断学および基本的外科的処置から、救急診療の醍醐味である蘇生までを多面的に網羅的に学習できます。 当院ERの特徴は、ICUに直結した救急診療を展開する点にあります。一般的なERでは診断と蘇生のみに重点がおかれますが、当院では救急科医師がICUを運営するSpecificな環境が用意されているため、当科レジデントは、蘇生の段階から、根本治療とその後のICU管理、そしてICU退室までの診療計画を、ERの診療において一度に考える機会に恵まれています。
Learn More当院のICUは、「救急患者のうち継続的な全身管理が必要な患者」「手術後に高度な全身管理が必要な患者」「病棟で重篤な症状を表した患者」などが入室します。あらゆる病状にも対処できるようICU専属の医師、看護師が24時間体制で配備されており、患者の早期回復のために日々チーム医療で努めています。
当科医師が担当医師となり、主治医と相談しながら全身管理や点滴指示などを主導的に行う、いわゆる『Closed ICU』です。
ECMOプロジェクト.
呼吸状態が悪くなった患者さんには、通常、酸素投不や人工呼吸器を使い呼吸状態を維持しながら、原因である肺炎などの治療を行い肺の回復を待ちます。しかし、中には酸素投不や人工呼吸器を使っても呼吸状態を維持できず、生命の危機に瀕してしまう最重症の呼吸丌全患者さんもいます。そのような患者さんを救命する最後の手段として使用するのが体外式膜型人工肺(ECMO)です。
体外式膜型人工肺(ECMO)はその名の通り「人工の肺」で、病気によりダメージを受けた患者さんの肺の代わりをする生命維持装置です。患者さんの足の付け根の血管から大人の人差し指ぐらいの太さの管を心臓の近くまで挿入し、そこから「ポンプ」を使って一旦、体の外に血液を引き出します。引き出した血液を「人工肺」に通すことで血液中に酸素を取り込ませ、血液中の二酸化炭素を排出させます。そして、きれいになった血液を首の血管から挿入した管を使い再び患者さんの体の中に戻すというシステムです。
酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する役割をECMOに任せることで、たとえ、患者さん自身の肺が病気によるダメージで全く機能できなくなったとしても生命を維持することが可能となり、患者さんの肺が回復するまでの時間を稼ぐことができます。
ECMOの歴史は古く1970年代にまでさかのぼりますが、あまり注目されていませんでした。しかし、2009年のH1N1インフルエンザの世界的大流行をきっかけに再び注目されるようになりました。世界中で発生した多くのH1N1インフルエンザによる超重症呼吸不全患者さんがECMOにより救命されたのです。ところが、日本のECMOによる治療成績は欧米諸国と比較してあまりよくなかったことも明らかになりました。そこで、日本呼吸療法医学会はECMOによる治療成績向上を目的にECMOプロジェクトを立ち上げました。前橋赤十字病院は群馬県内で唯一、このプロジェクトに参加しています。ECMOプロジェクトに参加し、ECMOによる治療体制を見直したことにより、諸外国と同等の治療成績を残せるようになってきました。これからも県内の各病院と連携しながら、群馬県内の重症呼吸不全患者さんを一人でも多く救命出来るよう日々、努力しています。現在、『Mobile ECMO』の導入検討中です。
治療成績 | Respiratory ECMO | 生存退院 |
2013年 | 9例 | 7例 |
2014年 | 12例 | 8例 |
2015年 | 7例 | 5例 |
2016年 | 4例 | 2例 |
2017年 | 16例 | 9例 |
2018年 | 7例 | 4例 |
現行の既存の科におさまらない患者を、自分が見るべき患者だとの認識を持って入院管理する医師集団がいることにより、初めて本当の意味でのER管理は成立します。集中治療科・救急科では、複数の診療科と連携が必要である患者、特殊な治療法が必要である患者の入院管理を主治医として担当します。
前橋赤十字病院高度救命救急センターは、群馬県の基幹災害拠点病院に指定されており、災害時に発生する重篤救急患者の救命医療と、県内の災害拠点病院の支援及びスタッフ教育等の機能を有する施設です。日本DMAT隊員養成研修修了者の人数は全国3位といわれています。群馬県で災害が起きた場合、当院が中心となって災害救護活動を行います。大量傷病者発生時の受け入れ、災害医療救護への医師の派遣、大規模災害時に備え、救護班の訓練の実施、万一に備え食糧、救護資材の備蓄も行なっております。 また、近県の災害救護にも積極的に活動しております。 日赤救護班は、災害急性期から慢性期までカバーします。群馬県内で災害が起きた場合、DMAT隊員や当科スタッフが中心となって災害対策本部での指揮、大量傷病者発生時の受け入れ、災害医療救護への医師の派遣を行います。初動救護班(日赤DMAT)と日赤救護班により、災害時には急性期から心のケアを含めた慢性期までカバーすることができます。
当院の人材育成は、On the Job Trainingに重点をおいています。当科のこの方針は、決してOff the Job Trainingを軽視するものではありません。 Off the Job Trainingで育まれる「知」は、最重症患者と戦うための戦略の礎となり、救急科医師としてのチカラを生み出します。戦略のない救急診療ほど無謀なことはないということを、我々はよく理解しています。 知識習得の場となるOff the Job Trainingには、昨今の流行でもあるシミュレーション教育が含まれます。AHA ACLSやJATECはその最たるものであり、当科ではそれら教育コースの受講を積極的に勧めており、参加費の全額サポートを約束しています。 しかしながら、「知っている」だけでは最重症患者を救うことはできません。重症外傷における蘇生に代表されるように、多くの救命行為には確実な技術を要します。 優れた技術の取得には日々の修練が必要不可欠であり、我々の人材育成は、この点に注力しています。24時間365日、全ての診察・処置において、指導医のSuperviseの元でレジデントはOn the Job Trainingを繰りかえし、 レジデントはOn the Job Trainingを繰り返すことで自信を身につけ、やがては自身の診療に責任をもつことを覚えます。このようなTrainingの暁に待っているものが、救急科医師としての誇りであると我々は考えています。
「その医療行為にEvidenceはありますか?」。近年の医療現場で、よく耳にする言葉でありますが、コンピューターと医療統計の技術革新に伴い、各医療行為には「Evidence Level」という格付けがなされようになりました。診療ガイドラインもこのEvidence Levelによって提言が格付けされ、その内容は日に日に質の高さを増しています。
しかしながら我々は、毎日世界のどこかで生み出されているEvidenceというものを追いかけるだけの日々には満足していません。科学者・研究者としての医師の視点に立つならば、Evidenceは追いかけるものではなく創るものだと考えるからです。 当科では、臨床に直結した課題を研究テーマに、臨床研究を積極的に行っています。重症外傷における出血の重症度分類とそれに基づく大量輸血療法開始基準を提唱した「Traumatic Bleeding Severity Score: TBSS」は、その成果としての最たるものであります。 TBSSは、最近まで不明瞭であった外傷性出血の重症度をスコアとして具体化すると共に、大量輸血療法に対するリスクの層別化に成功しました。TBSSは、今後、日本外傷初期診療ガイドラインへの採用が、期待されています。
当院では研究活動の延長線上での博士取得も可能であり、その他、学会参加費全額補助や論文発表支援システムも完備され、学術活動への注力の度合いは、大学医局のそれに遜色ないといえます。Evidenceは追いかけるものではなく創るもの。Evidence構築という医師人生の一大事業に対しても、我々の指導が及ぶことをここに約束します。
専攻医ひとりひとりの経験していない症例や手技、苦手分野を指導医(メンター)が把握し、昼夜を問わず相談、指導できる体制をとっています。
臨床だけでなく、日常生活で困っていることや人生相談などを気軽に相談できる環境を提供します。当然、チーム間を越えての指導医による専門的指導も行っています。
専攻医にはICU・ER・病棟管理・Pre-Hospitalの基礎を作るため,ICUとER/病棟を約2か月ごとのローテートを組んでいます。シニアスタッフには希望に合わせた期間設定を行っております.
各部署での行える内容について(例:ドクターヘリフライトドクター、ER単独当直、ICU単独当直など),段階毎にクリアしなくてはならない基準を設けております。勤務もその段階に応じて組むことになります。段階のステップアップについては、本人の意思を尊重し、各メンター長とプログラム統括責任者が相談し決定していきます。下記に1例を示します。