当院では、新人看護師研修制度を導入しています。
新人看護職員研修
平成19年8月に「新人看護師研修制度導入プロジェクト」を発足させ、きめ細やかに企画立案し、平成20年度より研修を導入しています。
ねらい

one
看護を担う人材の確保と資質の向上を図る。

two
赤十字、急性期病院に相応しい看護師としての基本的な知識・技術・態度を習得する。

three
新卒者が自分に合った部署の選択を可能にする機会を作る。
目標

one
リアリティーショックの緩和をはかる

two
基礎看護技術に関する知識技術を習得する。

three
急性期医療における看護師の役割を理解する。
研修期間
就職後1年間としています。その中で、4~6月の3ヶ月間は2〜3週間で一般病棟を中心に、救命領域または手術室を選択して、ローテーションをしながら学ぶ機会を展開しています。7月から正式に各部署へ配属となります。
研修方法
3か月ローテーション研修期間における研修方法を実施しています。
- 4月中旬から6月末まで、4~5名のグループで4~5部署をローテーションする(各部署での病棟付けとする)。研修の到達目標を【ステップ○】ごとに提示して、段階を経てステップアップできるように取り組む(救命領域と手術室はステップ研修から除外)。
- 研修時間は8時30分から17時までの日勤勤務時間帯で行う。
- 夜勤研修は20時15分〜翌朝9時15分(一部16時から翌朝9時)までの二交代勤務時間帯で行う。
- 日常生活援助や診療補助技術に関する集合研修を適時に行い、研修日は部署での勤務は行わない。
- 土・日は週休、祝日はそのまま休みとする。
- 各部署のローテーション終了時に各ステップにおける目標到達のふり返りと、評価を行う。
集合教育
臨床現場を離れて、1年間に約30項目の研修を企画しています。そこでは日常生活援助技術、診療の補助技術、看護職員として基本的姿勢・態度・管理的側面などを学習します。特に4月〜6月は集中した研修を構成し、ローテーションの現場で技術習得度を高めるよう取り組みます。
新人看護職員3ヶ月ローテーション研修例

ステップ1
- 部署の特徴や役割を知る
- 看護職員の役割を知る
- 基礎看護技術を指導者のもとで経験する
- 社会人としての礼節を身につける
- 研修メンバー(同期の同僚)との関係作りができる
ステップ2
- 指導者のもとで基礎看護技術を実践する
- 指導者のもとで患者1名を担当し看護業務を実践する
- 指導者のもとで看護記録に必要な情報を考え、記録する
- 病院組織としての看護業務の連携・しくみがわかる
- 看護業務における医療安全のしくみを理解する
ステップ3・4
- 患者の状況に合わせた看護技術を提供する
- 指導者のもとで、優先順位を考慮しながら2名の患者を担当して看護業務を実践する
- 指導者のもとで看護記録に必要な情報を考え、記録する
- 医療安全を意識して、チームメンバーと連携して実践する
- 夜勤研修に臨み、夜間の患者状態・看護業務を知る
- 研修を通じて自己の課題を認識する
新人看護職員研修 年間教育計画
夜勤研修について
- 夜勤研修はステップ2〜4の一般病棟で、ひとりにつき1回で実施する。
- 夜勤時の指導者の元で実施する。
救命領域での研修
高度救命救急センターの特殊性を知る
小児科病棟研修
子どもの成長・発達と生活特性を理解し、小児と家族の健康レベルに応じた看護の実際を学ぶ
手術室研修
周手術期における、手術看護と手術室看護師の役割を学ぶ
新人看護職員を支える組織体制
指導構造
新人看護職員研修制度により新人看護職員は実地指導者、教育担当者、係長、師長、スタッフより指導、助言を受けるが、指導のかかわりの中で新人看護職員から学びも多く相互の教育効果が高まる。システム全体はキャリア開発委員会がサポートし、委員会や師長には看護部がサポート体制をとり、職員全体で新人育成を行っています。
